構造設計部 プロジェクトPROJECTS

2015.12.12

06. Geodesic Nest(形態創生コンテスト2015入賞作品)

日本建築学会 コロキウム構造形態の解析と創生2015のコンテスト作品である。
「パーソナル・ビルド」というテーマに対し、コンピュテーショナルデザインやデジタルファブリケーションを用いた、瓦と木質フレームによる切断球面グリッドシェル構造を提案した。 21世紀に入り、建築および製造技術が発展し、様々な形態が創作および実現されるようになった。さらに3DCAD、CNC 加工、3D プリント、ロボットなどデザインからファブリケーションが身近になり、パーソナルビルドができる時代になった。形態の多様性、複雑多岐なパターンから生み出される建築は魅力的である。その一方、ジオデシックドーム、シドニーオペラハウスのような純粋な幾何学による形態は、力強く、美しく、最小限のパターンで全体の集合をなすフラクタルは、施工的合理性の高いものである。また、イスラムのモザイクタイルは三角形から六角形を使い、球面上に美しい模様を装飾する。 現代の先端技術を用いて、ジオデシック球面体を最小限のパターンと構造体で構造形態創生を行い、パラメトリックされたパネルの有孔パターンの操作と、そのパネル形状にフィットした均一な構造フレームを生成する。 これは、空間・審美性・構造的性能を最大化し、コスト・環境負荷・部材種類の最小化を行った多目的最適化問題であり、インタラクティブに構造形態創生が可能となるスキームを構築する。 これらの一連の設計をコンピュテーショナルデザインによって行い、3Dデータを製作図に変換し、デジタル工作機を用いて、1/10模型のための部材や接合部の加工を行った。 また、粘土瓦については三州野安株式会社と共同制作し、デジタルファブリケーションにより製作した任意形状の瓦の型枠を提供することで、制作費を抑えた。 デジタルファブリケーションにより制作した部材・接合部を組立て、労力を抑えながら複雑な形態をつくることが可能であり、今後、実大構造物の製作を計画している。
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設計:田村尚土+鈴木愛実+舘佐奈恵
所在地:森
規模:12m2
構造:切断球面グリッドシェル構造

 

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